2012年5月8日火曜日

意気地なし

・こわがり
・痛がり
・神経質
・吐き気をもよおしやすい

昨日、初めて行った自宅近所の歯医者の問診票。
該当する項目に○をせよ、とある。
もう私もいい大人である。ここはひとつ、ノーチェックでいきたい。
と思いながらも、手はさっさとすべてに○をつけていた。
神経質というのは、他の項目とどうニュアンスが違うのだろうか、
こわくも痛くも吐きそうにもならないけど、
何か細かいことが気になるということだろうか。イラっちな感じとか?
せめてこれひとつくらいパスしようかとも思ったが、
こわがりで痛がりで吐きそうにもなるけど、
でも私の性格はおおらかで細かいことは気にしないから大丈夫よ!
と主張したところで、何の意味があるだろう。
なので、意気地なしのダメ人間に徹することにした。

普段はムダに通る声のクセに、
歯医者にいる私はまさに蚊の鳴くような声しか出ない。
ううん、いやいや、だけをくり返す、ベソをかいた子どもみたいだ。
まるきり別人である。あるいはこっちの私が本来の私なのか。
(ちなみに、歯医者にいるって日本語的にはホントはおかしいのだけど、
でも"しか"だと通じづらいから、歯医者、ですよね〜?)
みんな、どうやってこの荒苦行を乗り越えているのだろうか?
もともと、歯はわりに丈夫なほうなので、歯医者に通った経験数は
一般的な平均値(ってどれくらいか知らないけど)よりおそらく少ない。
やはり経験数の少なさのせいか? それとも気質なのか?

治療してあるのは、左右上下の奥2本、計8本。
いずれも遠い昔に行ったもののため、老朽化してきたのか、
近年になって、いずれかの銀色のかぶせたものが、
食事中にぽろりととれてしまう、
という現象が数年に1度おこるのだった。

以前は会社の近くの歯医者に行っていた。
乃木坂時代、診察の椅子でしばらく待たされていた時、
ふと横を見ると、某有名ウエディングドレスデザイナー様が
半開きの口に棒状の器具をぶら下げたまま放置されていた。
あちらはサングラスをかけていたので表情はわからなかったが、
余計にシュールな感じで衝撃的だったなあ。

表参道の病院では、診察室に通され、
そちらへおすわり下さいと言うので、腰掛けると、
「そこは先生の椅子です」と呆れられた。
だってさ、内科なんかだと、手前の丸椅子が患者、
奥の立派な椅子が先生のって決まってるじゃないか。
こちとら滅多に行かない歯医者で不慣れなんだもん。
更に、そこの先生は、口を開けた私にいきなり
「カワイイんだなあ」と言った。
ええっ? やだ。からかってんの?モジモジする私に
「歯のサイズが小さいって意味ですよ」と、
冷ややかに言い直した。
フン。だったら最初からそう言え。

昨日行った歯医者では、医師がどんな人なのか、
果たして人間だったのかさえ、わからずじまいだった。
まずは助手が下ごしらえをあれこれやり、
先生がおでましになっても、私の頭の後ろ側にいるので
顔を見合わせることがない。
挨拶もないまま椅子を倒される。
むこうは私を見下ろすだろうが、
こっちはおびえた座頭市で何も見えていない。
助手が型を取って終了した際も、
すでに先生は他の患者のブースに行ってしまい、
さよならの言葉さえ言えなかったの(by天地真理)。

なんだろうか、この行きずり的シチュエーションは。
せめて最初に顔見合わせての挨拶くらいあっても
いいのではないのかなあ? 
その際には、できればマスクを一度はずして欲しいな。
(マスクしていたか確認できていないけどたぶんそうでしょ)
見ず知らずの人の指を口の中に入れられるんだからさあ。

麻酔なしで少し削られたが、痛くはなかった。
ああそうか。ひょっとして私は痛がりではないのか。
・神経質 に二重丸しておくべきだったのかも。
しかしそもそも、全部○にしたのに、
何の気遣いも感じられなかった。
何のための問診票なのだろうか?

・・・なんて、すべては負け犬の遠吠えだ。
こんなに私は意気地なしでダメ人間なのに優しくしてくれない!
とエバることほど、格好悪いことはない。
次回は「こんにちは!」と私から振り返って挨拶してみる。
診察中は、しかとこの目で先生を下から見つめ続けてみる。
そうしたら、あちらの出方も変わってくるだろうか。
私の歯医者嫌いも克服できるだろうか。

おそらく妄想で終わるだろう。
なんというヘタレ、チキンな私。



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